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日本物理学会 JPSJ注目論文表彰(2008年2月)
- Anomalously Wide Superconducting Phase of One-Dimensional Organic Conductor (TMTTTF)2SbF6
M.Itoi, C.Araki, M.Hedo, Y.Uwatoko and T.Nakamura J. Phy. Soc. Jpn. 77, Art. No. 023701, 2008
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本研究は、分子科学研究所中村研究室との共同研究により行われた有機伝導体(TMTTTF)2SbF6に関する研究報告である。実験では加圧下での電気抵抗測定を行い、この物質が圧力誘起超伝導体であることを世界に先駆けて見出した。実験結果によると、5GPaを超えたところで超伝導を示し、その転移転温度は、6GPaと9GPaとで最高2.8Kを示し、その間の圧力では2.8K以下という奇妙な圧力依存性を示した。この物質で見出された、異常に広い圧力範囲で超伝導相が誘起されると言う特徴は、類似の有機伝導体では観測されておらず、大変興味深い結果である。これは、本物質の特異な電子相関効果に基づくものと思われる。 |
日本物理学会 JPSJ注目論文表彰(2007年11月)
- Anomalous Pressure Dependence of Superconductivity in Layered Organic Conductor, κ-(BEDT-TTF)4Hg2.89Br8
H.Taniguchi, T.Okuhata, T.Nagai, K.Satoh, N. Mori, Y.Shimizu, M.Hedo and Y.Uwatoko J. Phy. Soc. Jpn. 76, Art. No. 113709, 2007
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本研究は、埼玉大学谷口研究室との共同研究で行われた。研究では、層状誘起超伝導体, κ-(BEDT-TTF)4Hg2.89Br8,の圧力下での電気抵抗測定を行い、超伝導の異常な圧力依存性を暴き出した。その結果によると、約0.7GPaで最大のTcを示した後、圧力を更に上げるとTcが極小を 示すなど奇妙な振る舞いが認められた。また、正常状態での電気抵抗の温度依存性によると、低圧ではTの一次に比例するが、圧力の増大にともない次第にTの二乗則を変わる。その臨界圧力は、おおよそ2GPaであった。これらの結果は、従来報告されている圧力誘起型の有機超伝導体とは異なり、この物質がキャリア注入型の誘起超伝導体である可能性を示唆し、酸化物系の高温超伝導体との相関など、今後の発展が楽しみな研究である。
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「高圧技術ハンドブック」丸善より刊行される(2007/01/28)
- 高圧技術ハンドブック B5判448p・箱入
毛利信男、村田恵三、上床美也、高橋博樹編
丸善 (2007)
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